○見附市未熟児養育事業実施要綱
平成25年3月28日
教育委員会告示第3号
(趣旨)
第1条 この要綱は、未熟児が正常な新生児に比べて生理的に未熟であり、疾病にもかかりやすく、その死亡率は極めて高率であるばかりでなく心身の障害を残すこともあることから、生後速やかに適切な処置を講ずることを目的とし、医療を必要とする未熟児に対しては養育に必要な医療の給付を行うとともに、必要に応じて未熟児の保護者に対する訪問指導を行うことについて必要な事項を定めるものとする。
(低体重児の届出)
第2条 未熟児の養育対策の万全を期すため、母子保健法(昭和40年法律第141号。以下「法」という。)第18条の規定による低体重児の早期届出の徹底を図る必要があるため、妊娠の届出、母子健康手帳の交付、母親(両親)学級等の機会をとらえて速やかに届出が行われるよう指導するほか、医師会、助産師会等との連絡協調を密にし、医師会、助産師会等の積極的な指導協力を得て、未熟児の早期把握に万全を期するものとする。
(対象者)
第3条 養育医療の対象は、当市に居住する法第6条第6項に規定する未熟児であつて、医師が入院養育を必要と認めたものとする。なお、法第6条第6項にいう諸機能を得るに至つていないものは、次のいずれかの症状等を有している場合をいう。
(1) 出生時体重が 2,000グラム以下のもの
(2) 生活力が特に薄弱であつて次に掲げるいずれかの症状を示すもの
ア 一般状態
(ア) 運動不安、けいれんがあるもの
(イ) 運動が異常に少ないもの
イ 体温が摂氏34度以下のもの
ウ 呼吸器、循環器系
(ア) 強度のチアノーゼが持続するもの、チアノーゼ発作を繰り返すもの
(イ) 呼吸数が毎分50を超えて増加の傾向にあるもの又は毎分30以下のもの
(ウ) 出血傾向の強いもの
エ 消化器系
(ア) 生後24時間以上排便のないもの
(イ) 生後48時間以上嘔吐が持続しているもの
(ウ) 血性吐物、血性便のあるもの
オ 黄疸
生後数時間以内に現れるか、異常に強い黄疸のあるもの
(診療上の留意事項)
第4条 指定養育医療機関は、未熟児の医療が専門外にわたるときは、指定養育医療機関担当規程(昭和40年厚生省告示第573号)及び保険医療機関及び保険医療担当規則(昭和32年厚生省令第15号)に定めるところにより、適切な措置を講ずるものとする。
(移送)
第5条 指定養育医療機関は、移送用保育器及び酸素吸入装置を整備し、医師及び看護師の付添いのもとに救急自動車等により移送するものとする。
(給付の申請)
第6条 養育医療の給付の申請は、母子保健法施行規則(昭和40年厚生省令第55号。以下「省令」という。)第9条の規定によるものとし、その要領については次によるものとする。
(1) 申請者は、未熟児の保護者(法第6条第4項)であること。
(2) 申請書は、別記様式第1号「養育医療給付申請書」による。
(給付の決定)
第7条 市長は、申請書を受理したときは速やかに養育医療を給付するか否かを決定するものとする。
2 養育医療の給付を行うことを決定したときは、省令様式第1号「養育医療券」(以下「医療券」という。)を申請者に交付し、かつ、医療券に記載した指定養育医療機関にその旨を通知するものとする。また、養育医療の給付を行わないことを決定したときは、速やかにその理由を明らかにして、申請者に通知するものとする。
3 医療券の交付に際しては、申請者に対し、その取扱いについて十分指導するとともに、費用の負担等についてあらかじめ周知させておくものとする。
4 医療は、医療券を指定養育医療機関に提出して給付を受けることとし、やむを得ない理由により、医療券を提出できない場合には、医療を行い、その理由がなくなつた後、速やかに医療券を提出させるものとする。
(医療券の取扱い)
第8条 医療券の有効期間の記載に当たつては、その始期は当該指定養育医療機関による当該医療開始の日にさかのぼるものとし、その終期は、当該医療の終了の日であるので、診療の終了予定期間に若干の余裕を考慮して記入することとする。なお、病院診療所用及び薬局用の医療券を併せて交付する場合における有効期間は、同一の有効期間とすることとする。
3 やむを得ない理由により当該指定養育医療機関を転院する場合は、新たに給付の申請をさせなければならない。この場合において申請書には、意見書及び転院を必要とする理由を記載した医師の証明書を添付することとし、世帯調書等は省略できるものとする。
4 医療券を紛失又はき損した場合は、別記様式第6号の1「養育医療券再交付申請書」により申請させ、再交付するものとする。
5 医療券の記載事項において居住地の変更、扶養義務者の変更等が生じた場合は、別記様式第6号の2「養育医療変更届出書」を申請者から提出させるものとし、市長は、変更届出書を受理したときは、医療券を書換えのうえ、申請者に交付し、指定養育医療機関にその旨を通知するものとする。
6 申請者は、次のいずれかに該当する場合は、医療券をその交付を受けた市長に返還するものとする。
(1) 養育医療券による医療が終了し、又は当該医療を中止したとき。
(2) 未熟児が死亡したとき。
(医療の給付)
第9条 医療の給付は、現物給付によることを原則とし、やむを得ない事情がある場合にのみ現物給付にかえて、その費用を支給するものとする。
2 給付の範囲は、法第20条第3項によるものとし、これらのうち看護及び移送の給付の取扱いについては、次によること。
(1) 看護は、未熟児の症状が重篤であつて、医師又は看護師が常時監視して、随時適切な処置を必要とする場合に承認するものとし、承認期間は、病状に応じ最小限必要な期間とする。
(2) 移送は、入院が必要な場合又は医師が特に必要と認めた場合に承認するものとし、その額は必要とする最小限の実費とするものとする。なお、移送に際し、付添いの必要があると認められる場合は、付添人の移送費についても支給するものとする。
(診療報酬の請求及び支払)
第10条 診療報酬の請求は、省令第14条の規定に定めるところによる。
2 支払は、市長が新潟県知事に新潟県社会保険診療報酬支払基金幹事長及び新潟県国民健康保険団体連合会理事長との契約権限を委任し、新潟県知事が締結した委託契約に基づいて行う。
(徴収額の決定及び徴収)
第11条 法第21条の4第1項の規定により扶養義務者から徴収する額の決定は、見附市養育医療措置費負担金徴収規則(平成25年見附市教育委員会規則第7号)に定めるところによることとし、その決定された額について徴収するものとする。
(医療保険各法との関連)
第12条 医療保険各法と本給付との関係は、その本人が医療保険各法の被扶養者等である場合は、医療保険各法による医療の給付が優先するものとし、養育医療の給付は、いわゆる自己負担分を対象とするものとする。
(階層の再認定)
第14条 給付継続中に階層の再認定を行つた場合は、別記様式第11号「養育医療自己負担額変更通知書」により申請者に通知するものとする。
(未熟児訪問指導)
第15条 法第19条の規定による訪問指導の実施に当たつては、医療機関等を通じて未熟児の症状等の把握に努めるものとし、指導内容は、当該医療機関の医師等の意見を聴くほか、特に合併症、後遺症、成長発育状況等に応じて適切な指導を行うものとする。
2 訪問指導の対象者は、未熟児が通常養育上の必要性から訪問指導を必要とするため、出生したすべての未熟児を対象として訪問指導を行うことが望ましいことから、特に、未熟児養育医療の対象となつた児を重点対象とするものとする。
3 訪問指導を徹底するため、市長は、常に低体重児の届出状況等を把握するとともに、医療機関等との連絡を密にし、対象の把握に努めなければならない。
4 市長は、医療機関との連絡を密にしながら、養育医療の給付を受けた者の事後経過について、別記様式第12号「未熟児事後追求調査票」により、医療給付の期間が終了した月から起算しておおむね3か月後、6か月後及び12か月後の各時期に、家庭訪問、健康相談、医師からの連絡等で得られた情報に基づき調査を実施する等事後指導を行うものとする。
(その他)
第16条 未熟児の出生を防止するためには、未熟児出生の原因となる妊婦の疾病等の予防及び早期発見に努め、早期に治療を行うことが必要であることから、市長は、妊婦に対する妊娠中の定期的な健康診査及び保健指導の徹底に努めるものとする。
2 未熟児養育事業の円滑な実施を図るため、本事業に直接関係する医療機関はもとより、医療保健関係者等に対し、医師会、助産師会、看護協会等を通じて本事業の趣旨の周知徹底を図るとともに、積極的な協力を求めるものとする。
3 未熟児養育事業の実施については、未熟児医療にたずさわる医師、助産師等の医療保健関係者はもとより、母子保健推進員等に対し本事業の趣旨の周知徹底を図るほか、積極的な協力を求めて効率的な運営を図るものとする。また、住民特に妊婦に対し、本事業の趣旨の徹底を図り、母親学級等の保健衛生教育の場を通じて常に未熟児養育に関する正しい知識とその方法の普及を図るものとする。
附則
この要綱は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成28年教委告示第2号)
この要綱は、公布の日から施行し、平成28年1月1日から適用する。
附則(平成28年教委告示第14号)
この要綱は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年教委告示第4号)
この要綱は、平成30年4月1日から施行する。
附則(令和2年教委告示第3号)
この要綱は、公布の日から施行する。