○見附市危険物流出等の事故調査に関する規程
平成22年1月22日
告示第13号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づき、見附市内において発生した危険物流出その他の事故(以下「危険物流出等の事故」という。)の原因の調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、調査結果を日常の指導及び立入検査に反映させることにより、類似事故の再発を防止し、もつて火災予防の充実を図ることを目的とする。
(1) 危険物流出等の事故 法第16条の3の2第1項に規定する事故をいう。
(2) 危険物施設 危険物を取り扱う製造所、貯蔵所又は取扱所をいう。
(3) 事故調査 法第16条の3の2第1項の規定により行う調査をいう。
(4) 調査員 危険物流出等の事故の原因の調査を命ぜられた消防職員をいう。
(5) 事故関係者等 事故に直接関与した者、危険物施設の関係者、事故の目撃者その他の危険物流出等の事故に関係する者をいう。
(調査の責任)
第4条 危険物流出等の事故が発生した管轄区域内の調査責任者は消防長とする。
2 調査の担当は、予防課長とする。
(調査の体制)
第5条 消防長は、調査に必要な人員及び調査用機材を整備し、調査体制を確立しておかなければならない。
(調査の心得)
第6条 調査員は、常に調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 調査員相互に連絡協調を図り、調査業務の進行が円滑になるようにしなければならない。
(2) 調査に際し、関係者等の民事的紛争に関与してはならない。
(3) 調査員は、個人の自由・権利を不当に侵害したり調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。
(4) 調査員は、関係ある場所に立ち入るときは、原則として関係者等の立会いを得なければならない。
(5) 調査員は、警察機関及びその他の関係機関と緊密な連携を保持して、相互に協力して調査にあたらなければならない。
(調査の基本)
第7条 調査は、危険物流出等の事故となつた原因を調査するほか、発生に至つた経緯、発生前、発生時の作業の状況、事故の模様、関係者の講じた措置、被害状況等を明らかにするものとする。
2 調査にあたつては、常に事実の究明を主眼とし、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断によつて事実の立証に努めなければならない。
3 調査は物的調査と人的調査を相関的に併せて行わなければならない。
(調査の実施及び調査員)
第8条 消防長は、危険物流出等の事故を覚知したときは、直ちに調査にあたらなければならない。
2 消防長は、調査員を指定して調査に従事させるものとする。
3 消防長は、必要があるときは、前項の調査員以外の職員を調査に協力させるものとする。
(調査の実施対象)
第9条 調査は、次の各号に定める事故について実施するものとする。
(1) 危険物施設(製造所及び一般取扱所を除く。)から危険物が10キロリットル以上流出した事故
(2) 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量の10倍以上流出した事故
(3) 地下に埋設されたタンク又は配管から危険物が指定数量以上又は敷地外に流出した事故
(4) 危険物の流出に起因し、死者が発生した事故
(5) 容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤・タンク本体(屋根、浮き屋根又はインナーフロートタンクの浮き屋根蓋を含む。)が、破損変形、沈下、傾斜などの異常な状態となつた事故
(6) その他、見附市消防長が類似事故の防止又は予防対策の必要性の観点から、詳細な事故原因調査を行うことが必要と認めた事故
(立入検査)
第10条 調査員は、その職務を行うにあたり、危険物流出等の事故の現場及びその関係のある場所に立入つて状況を検査しなければならない。
2 前項の立入検査に際しては、法第4条第1項ただし書き及び第2項から第4項までの規定を遵守しなければならない。
(調査の立会い)
第11条 前条第1項の立入検査は、必要に応じ、危険物流出等の事故を発生させた製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者、占有者又は代理者若しくはその他の関係のある者の立会いを求めて実施し、調査の信頼性の保持に努めなければならない。
(警察への通報)
第12条 消防長は、危険物流出等の事故について犯罪の疑いがあると認めたときは、直ちにこれを通報書により危険物流出等の事故の発生地を管轄する警察署長に通報しなければならない。ただし、書面によることを要しないと認めたときは、この限りでない。
(消防活動中の保存)
第13条 消防隊の現場指揮者及び隊員(以下「消防隊員」という。)は、危険物流出等の発生箇所と推定される箇所及びその付近(以下「発生箇所」という。)の消防活動にあたつては、細心の注意をはらい、その原状の保存に努めなければならない。
(実況見分)
第14条 調査員は、実況見分を行うにあたつて、危険物流出等の事故現場その他関係ある場所及び物について、関係ある者を立ち合わせ説明を求め、努めて危険物流出等の事故発生前の状況を明らかにして、これを行うようにするとともに、綿密詳細に見分を行い、調査資料の発見入手に努めなければならない。
(実況見分調書の作成)
第15条 調査員は前条の見分状況について実況見分調書を作成しなければならない。
2 実況見分調書には、調査内容を明らかにするため、必要な写真及び図面を作成し、写真は写真添付用紙に添付しておかなければならない。
(質問)
第16条 調査員は、危険物流出等の事故発生前の状況、危険物流出等の事故発生後の関係者等の行動等について、発見者、所有者等関係のある者から任意に真実の供述を得るように努めなければならない。また、質問を行う場合は、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 質問を行う時期、場所等に配慮し、被質問者の任意の供述を得るように努めること。
(2) みだりに供述を誘導しないこと。
(3) 伝聞によらない直接経験した事実の供述を得るように努めること。
(少年等に対する質問等)
第17条 少年法(昭和23年法律第168号)第2条第1項に定める少年、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に定める身体障害者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第5条に定める精神障害者(以下「少年等」という。)の関係する危険物流出等の事故で、前条に規定する質問を行う場合は、立会人をおいて行うものとする。ただし、立会人をおくことで、真実の供述を得られないと判断されるときは、この限りでない。
2 前項の質問を行うに当たつては、少年等の心情を考慮し、十分な理解をもつて当たらなくてはならない。
3 少年等は実況見分の立会人としてはならない。ただし、心情及びその他諸般の事情により支障がないと認められるときは、この限りではない。
4 調査書類には、少年の署名を求めてはならない。
(質問調書)
第18条 調査員は、質問により知り得た事項で、調査上必要と認めるものは、質問調書に録取しておかなければならない。
2 調査員は前項の質問調書を被質問者に閲覧させ、又は読み聞かせ、記載事項に誤りがないことを確認し、当該質問調書に署名を求めておかなければならない。ただし、これを拒んだ場合は、この限りでない。
(通訳人の介助)
第19条 調査員は、通訳人の介助を得て質問を行つた場合は、通訳人の介助を得て被質問者に閲覧又は読み聞かせ、前条第2項のほか通訳人に日付の記載及び署名を求めておかなければならない。ただし、これを拒んだ場合は、この限りでない。
(調査資料の提出)
第20条 消防長は調査のために必要と認めるときは、関係者に対し、法第16条の5の規定による資料の提出を求めるものとする。
2 前項の規定により資料の確保が困難と思われる場合は、法第16条の3の2第2項の規定に基づき、関係者に対し、資料提出命令書により資料の提出を命ずるものとする。
(資料の保管及び返還)
第21条 消防長は前条により資料の提出があつた場合は、提出者に対し資料保管書を交付するものとする。
2 前項に基づく資料には保管票を付し、保管台帳に記載して、調査が完了するまで保管しなければならない。
3 資料提出者が、資料の返還を求めるときは、調査終了後、資料保管書と引き換えに返還するものとする。
(照会)
第22条 消防長は官公署に対し、調査に関する事項を照会する場合は、危険物流出等の事故調査関係事項照会書により行うものとする。
(原因の判定)
第23条 調査を行つた調査員は、実況見分、質問及び資料などにより知り得た事実を総合検討して、危険物流出等の事故の原因を判定しなければならない。
2 調査員は、前項の規定により事故原因を判定したときは、危険物流出等の事故原因判定書を作成しなければならない。
(死傷者等の報告等)
第24条 消防長は、現場において死傷者があるとき又は可能性が高いと認められるときは、所轄警察署長に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。
(調査書の作成)
第25条 調査員は調査が終了したときは、危険物流出等の事故調査書を作成しなければならない。
(調査書類)
第26条 前条に定める危険物流出等の事故調査の実施対象における調査書類には、次の書類を作成するものとする。
(1) 危険物流出等の事故の原因判定書
(2) 実況見分調書
(3) 質問調書
(4) 死者の調査書及び負傷者の調査書
(5) その他必要な書類、資料
(調査書類の保存)
第27条 消防長は、前条の規定により作成した書類及び関係書類を1件の危険物流出等の事故ごとに一括し、原本として保存しておくものとする。
(その他)
第28条 この規程の施行に関し必要な事項は消防長が別に定める。
附則
この規程は、平成22年4月1日から施行する。